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廻る季節の狭間で [SS小説]

ぜっさんです。
転生学園もの。
土方さん昔から真選組の副長だった夢を見てて。
お互い好きだと知ってたのに言わないまま終わりを迎えた二人。



=銀土版深夜の60分一本勝負「初キス」=


「ねぇ、先生、好きだよ?」
咥えていた煙草を奪われて至近距離でそんな純粋に求める眼差しで覗き込まれて、いったい誰がその誘惑に抗えるというのか。
ずっと望んでいた相手なのだ。
本心など隠せるはずもなく。
案の定、土方の心を察した銀時に唇を押し付けられていた。
甘い痺れが体を襲って……切なさに泣きたくなる。
けれど。
「……っ、駄目だ」
身を任せかけて、すんでのところで思い出した。自分はいま教師で、この男は生徒なのだと。
万事屋であったあの頃とは違い、幸せな家庭であたたかな家族に包まれ愛情を注がれている子供だ。
あの男がようやく辿り着いた幸せ。
土方が壊してはいけないものだ。
「なんで?」
「教師と生徒だから」
不満げな顔を常識を突きつける。
「んなの関係ないじゃん。先生は俺が嫌い?」
嫌いかと問われれば、「嫌いなわけないだろう」としか答えられない。
「じゃあ、さー……こういうことされんの嫌?」
チュッと軽く唇が重なって離れた。くすぐったくなるような感覚はただただ愛しさしか感じない。
(嫌なはずがない)
土方の心など分かっていたのだろう。また銀時がキスをしかけてきて。
こんなことしてはいけないと理性では思っていても、この心地よさを手放せないでいた。

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